アスラン編集スタジオ

算数の能力はもともとのセンスよりも周囲の人が身の回りのことをどう教えているかが大きい

坂本新平
小学生向けの算数専門塾を運営する坂本新平氏に、
著書『頭がよくある 算数パズル』についてのお話をうかがいました。

──坂本先生は、これまでの4冊の算数パズルシリーズ『頭がよくなる算数パズル』(初級・中級編、数編・図形編)を
お作りになったわけですが、まずはご執筆の感想からお聞かせください。

今までは「面白そうだな」「この問題を子どもに解かせたいな」という直感のようなものに基づいて教えていたのですが、書籍の執筆にあたっては、しっかりとコンセプトを固めたいという想いがありました。<br />
そこで、本書で提案したのが「読む力」「比べる力」「教える力」「試す力」の4つの力を伸ばすという考え方です。この枠組みを明確にしたことで、自分の教育方針を言葉にできたという意味では、1つの財産になったと感じています。

今までは「面白そうだな」「この問題を子どもに解かせたいな」という直感のようなものに基づいて教えていたのですが、書籍の執筆にあたっては、しっかりとコンセプトを固めたいという想いがありました。
そこで、本書で提案したのが「読む力」「比べる力」「教える力」「試す力」の4つの力を伸ばすという考え方です。この枠組みを明確にしたことで、自分の教育方針を言葉にできたという意味では、1つの財産になったと感じています。

──算数の問題が解ける能力は、もともとのセンスに左右されないのでしょうか?

周囲の人が身の周りのことをどう教えているかが大きいと思います。
例えば、子どもがゆっくり時間をかけて物を数えているとき、急いでいる親が止めてしまったり、答えを先に言ったりしてしまい、緻密に数える意欲を削いでしまうことがあります。
しかし、できる子の親は、子どもが何かをしているときに何も口を出さずにじっと見守っている傾向がありますね。

──そういった学びの力を伸ばすうえでは、算数パズルを解く時間だけでなく、
遊びやスポーツへの取り組み方も大切になってきますね。

そうです。例えば道路のタイル模様を見た子が「1つ飛ばして進もう」などと遊びますよね。
そうやってルールを作るのも学習になりますし、鬼ごっこで一人取り残されている子がいたら、ハンデを付けて皆で楽しく遊べるようにするといったように、子ども自身が考えて行動することも大切です。
子どもは、体験から学ぶのは全く苦ではありませんし、むしろ自ら取り組もうとします。
けれども、親にはただ遊んでいるように見えるから「そんなことをしていないで、早く帰って宿題やりましょう」となってしまいます。
これでは本末転倒です。

──実体験が大切ということですね。

例えば、カルピスを濃いめに作ってみよう、あるいは薄めに作ってみようという経験を積み重ねていれば、高学年になって食塩水の濃度を学習したときに、実感としてわかることがあります。
高学年で新しいことを習うときに、よくわからないまま「覚える」となってしまうか、実感として理解できるかで大きな差がつきます。
カルピスウォーターを与えるのは簡単ですが、あえてカルピスの原液で試行錯誤させるというのも、実は重要なことだと思いますね。

──この本を手にする親子の読者に向けて一言お願いします。

問題を解くのを嫌がる子どもに無理にやらせても仕方がありません。
しかし、食わず嫌いで、面白そうな問題だけ解くのもちょっと違うな、と思います。

本書には4つの力を伸ばすためのいろいろな種類のパズルがありますので、すべて最低1~2問は取り組んでいただいて、面白ければもっとやる、つまらないときはいったん置いておいて
後からやるというようにしてみるといいですね。
4つの力のうち、苦手な力を育てることも大切です。
無理はしない範囲で、「1日1ページはやる」などと親子で目標を決めて、一度決めた目標は守り抜くというふうにしていただければと思います。

──ありがとうございました。
著者略歴

いたもとしんぺい

1978年、東京生まれ。筑波大学附属駒場中学・高校、東京工業大学卒。大手塾での8年間の指導経験を経て、2009年、神奈川県川崎市に「いたもと算数教室」を開校。小学2年生〜6年生の子どもたちにオリジナルのカリキュラムと教材で算数の指導をしている。難関私立中学、国立中学受験に対応する力を伸ばしているほか、毎年夏に開かれる算数オリンピックで錠隠喩症を狙える子どもの育成を最大の目標としている。

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